「誰も悪くはないさ きっとそういうもんさ」と斎藤和義は言った
フィリピンは虫との戦いである
私の歓迎会で同僚からそのように聞いていたので翌日にはアルコールを買って部屋の隅からすみまで拭き掃除をし、自家製虫除けスプレーを水回りや網戸に吹きかけて虫の侵入をシャットアウトしていた
侵入できるもんならしてみろとばかりに徹底的に掃除していたので玄関前で小さいGがひっくり返っているのを見た時は「どんなもんじゃい!」と死骸を勢いよく蹴り上げるほどだった
それが不覚にもハエ1匹の侵入を許してしまった…
突然話は変わるが、私の部屋には初めからテレビが置いてあった
ビルのオーナーの計らいだったが、電源をつけても番組が映らない
よくよく聞くとアンテナの設置が必要ということで、それなら別にテレビ見ないしそのままテレビ放置しておこうという話になっていた
それが休みの朝、玄関前から「アカネサーン!」と呼ぶ声がしてドアを開けるとフィリピン人スタッフのPさんと男性が2名立っていた
全く見当が付かず「あれ?今日なんかありましたっけ?」と聞くと「テレビノアンテナセッチニキマシターー!」と部屋に入ってきた
「え?アンテナいらないって話じゃ…これ代表のNさんは知ってる?」「知ってます!」ということでNさんに確認するとNさんも朝にPさんから突然連絡が来た、とのこと
まぁ、アンテナつけるだけだしいいか…と、工事を見守っていた
工事が終わったのがそれから約2時間後、窓の外にどでかいアンテナが設置された
(あぁ、け、景観が…)
私の部屋は土足厳禁なのだが、お兄さんたちはそんな私の都合など知ったこっちゃない
工事で出た小さいゴミが散乱、ケーブルを壁に固定させた時に出た木くずなどは基本そのまま
フィリピン人スタッフのPさんと工事のお兄さんを見送って早速部屋の掃除をすることにした
そして、窓掃除をしている時に気がついた
外から室内へケーブルが伸びてきており窓が閉まらない…
(…えぇ?!)
その時、ブーンっと音がして1匹のハエを確認した
ひとまずその窓の隙間にタオルを挟んでおいてハエ退治に向かった
腕を勢いよく振り回して壁に激突してしまい指から流血
日本から持ってきた虫除けスプレーも歯が立たず…
ここフィリピンはアクシデントが日常茶飯事なのである
トイレも流水ボタンが2回ほど壊れたし
冷蔵庫のコンセントもゆるゆるで帰ったら抜けていたし
天井の電気カバーは落下するし
(ちなみに友達Mの冷蔵庫はコンセントが刺さっていたのに電気が断絶されて中身の食料が腐っていた)
虫の侵入を不可抗力によって許してしまった
日頃そこまで怒らない私でも速攻ブログにしたためるぐらいには憤りを感じていた
友達Mから職場にいるフィリピン人同僚についての愚痴を聞いている時に「全く違う価値観を持っている人間なんだからそこは大目に見よーよ!」と余裕ブッこいていた
「あかねちゃんもいづれ分かる…」と予言めいたことを言われていたがコレがそうなのかもしれない
今日は斉藤和義の「空に星が綺麗」を聞いて就寝する
「誰も悪くはないさ きっとそういうもんさ」と言い聞かせるがイライラで寝付けない