マグロ回遊記

マグロは泳ぎが止まると死んでしまうんやで

【セブロックダウン】サバイバル生活 その1

セブがロックダウン生活22日が経過したので、ここまでの流れと私の身の回りの様子をまとめた

 

3月12日(木)

夕方の記者会見で大統領がメトロマニラロックダウンを宣言

 

3月13日(金)

会社では社員が自宅でリモート作業ができるようポケットWi-Fi支給の手配が進められた(Wi-Fi契約していない家庭が多いため)

マクタンからやってくる社員は公共交通の乱れなどで出社が困難になることが予想され優先して配ることになった

この日私は会社を休んで友達とマラパスクワへ旅行する予定だった

セブのノースターミナルから車で約4時間、マラパスクワ行きの船に乗るためセブの最北端にあるマヤ港へ向かった
到着してターミナルでチケットの購入をしたが受付のスタッフがピリピリしており
「フィリピンにいつ入国したか」
「入国前にどこの国にいたか」
細かく質問され、パスポートのコピーを取られるなどチェックがとても厳しかった

大統領の記者会見はニュースで見て知っていたが、まさかこの適当な国フィリピンの国民がロックダウン宣言の翌日にコロナウィルス対策のために動くなんて驚いた
この時に初めて「これはただ事ではないな」と深刻さを実感した

マラパスクワ旅行の目的はカランガマンという無人島だった
現地ガイドに翌日のカランガマンのツアーの予約をしてホテルでゆっくりした後、アイランドホッピングに繰り出した

アイランドホッピングが終わりホテルに戻る途中に今朝カランガマンツアーを申し込んだガイドのおじちゃんの姿を見つけた

「コロナウィルスの影響でカランガマンが入島禁止になった。明日のツアーは別の島で良いか」ということだった

別の島へのガイドを改めて予約してホテルへ帰宅したところ、宿泊者が全員ロビーに集まって大統領の記者会見を食い入るように見ていた

コロナ騒動を忘れるための束の間のバカンスのはずだったが、着実に私たちの背後まで迫ってきていた

 

3月14日(土)

メトロマニラで夜間外出禁止令発表
セブ・入域制限
休校、夜間外出禁止令

朝から夕方までツアーをたっぷり楽しんで帰宅したところ友達の携帯に語学学校のスタッフから「来週から休校する」という連絡が来ていた

当初、友達は3月末まで語学学校で英語の勉強を行い、4月中旬までフィリピンを旅行する予定だった
コロナ騒動で旅行を断念することになってもいざとなれば私の家か、またはホテルへ宿泊するという計画だった

ここしばらくは状況が悪くなることはあっても良くなることは絶対ない、私は友達に日本へ帰国することを強く勧めた
結局どこに行ってもコロナ騒動は付いて回るしリスクもある、だったら医療体制や治安の良い日本へ帰った方が絶対良い

 

3月15日(日)

セブシティへ戻り友達と解散して各自食料確保のためスーパーへ向かった
この頃から買い占めは始まっており、スーパーや薬局からはマスク、トイレットペーパー、マスク、消毒液が消えていった

その日の夕方Twitterで友達の予約していたセブパシフィックのフライトキャンセル情報が流れてきた
友達に知らせると慌てて一番早い日程のフライトのチケット争奪戦のため奮闘することになるがこの時の私はそれを知らなかった(その後、友達は無事に帰国チケットを確保できたようだった) 

3月16日(月)

夜8時から朝5時まで夜間外出禁止令が出たため会社ではフィリピン人社員がIDの作成作業を急いで進めていた(帰宅時に外出禁止時間になった場合、警察にIDの提示を求められることがあるため必要になる)

夜間の外出ができなくなったため友達と会うことが難しくなってしまった
私が会社が終わってから友達に会いに行ったとしても話せるのはせいぜい1時間ほど
いろいろ考えた結果、友達の宿舎の近くにあるホテルを予約することにした
そうすれば夜から朝にかけてゆっくりおしゃべりすることができる
ホテルは相次ぐキャンセルによって価格が80%OFFになっていた

3月17日(火)

当日19時に友達とホテルのロビーで待ち合わせ

仕事が終わり急いでバイクタクシーを捕まえてホテルへ向かった
友達から連絡がありホテル内のレストランは全てクローズになっているという情報を聞いて、ホテル近くにあるレストランでテイクアウトを頼んだ

夜間外出禁止の時間が迫っていたこともあってオスメニアサークルが尋常ではない混み方をしていた
道路には迷彩服を着たアーミーが交通整理と気まぐれに体温計で体調チェックをしていた
バイクタクシーのドライバーはそれを無視して車の間をすり抜け目的地に向かった

平日の夜にも関わらずショッピングモールはたくさんの人でごった返していてスーパーは長蛇の列をつくっていた、異様な光景だった

友達となんとか合流を果たし、部屋へ移動して会っていなかった間のすったもんだの話を互いに共有した
22時近くにホテル内のスパが営業していたのでマッサージを受けてサウナに入って眠りについた

この頃から自分自身でテンションが高くなっていることを自覚していた
連日の非日常感、文字通りのサバイバルに「あぁ、今生きることに必死になっているな」と
不謹慎だし誰にも共感されないと思い黙っておくことにした
(愛読書はさいとうたかをの漫画「サバイバル」)

 

つづく…