マグロ回遊記

マグロは泳ぎが止まると死んでしまうんやで

ニセコはただの外国だった話

次の仕事先の候補としてニセコを思いついてからずっとニセコのことが気になっていた

わたしはスノボ、スキーには全く興味がないので、この機会を逃せば死ぬまでニセコに行くことはないだろうと思った

自分の目でニセコがどんなもんか確かめて仕事で英語を使ってみたい!

で、ベトナムに行く前にニセコのリゾートバイトをすることにした

仕事先については小豆島で出会ったニセコでリゾートバイト経験有りの人に相談した
私が行こうとしていたところは評判が良くないのでやめた方がいいと言われた

いろいろ調べて、泉郷(いずみきょう)というところにあるレンタルコテージのレストランに決めた
ここに決めた理由はオープンして日が浅いので改善のアイデアがあれば提案しやすいと思ったからだ
(創業が古い会社は管理のおっさんが変化に適応できず効率の悪い慣例を優先するため現場からの改善案はスルーされるということを小豆島で働いていたホテルで学んだ)



東京の家を朝5時に出発して仕事場の最寄駅である"倶知安(くっちゃん)"に到着したのは昼3時
地図で見たときは新千歳空港から倶知安まで結構近いかな?と思っていたが、まさか3時間もかかるとは予想外だった
本州民あるある北海道のスケール感を舐めていた

移動中はひたすら寝ていたので気がついたら北海道という感じだったが、移動に8時間もかかっている
ちょっとした外国に行けるレベルだ

1月の北海道なので当たり前だが雪めっちゃ降ってるしめっちゃ積もってる
防寒対策バッチリだったのでそこまで寒さが辛いという感じでもなかった

最寄駅まで社員さんが迎えに来てくれた
事務所に到着して挨拶を済ませ、そのあと仕事場となるレストランに行き料理長とスタッフに挨拶をした
料理長がごりごりに渋くて一気にテンションが上がった
「明日は身の回りの準備を整えてもらって仕事は明後日から」という粋なお心遣い
レストランのスタッフは私以外に2名いて
どちらも女性だ
英語必須の仕事場ということもあってか、とても気さくな人たちだった

寮に移動して荷物を置いた
2DKでめちゃくちゃ綺麗なマンションだった
小豆島で働いていた時の寮が鼻くそに思えるほどの綺麗さだ

ゴキブリは出ないがカメムシは出るらしく、よく見ると部屋の隅にカメムシの死骸が転がっていた
といってもめちゃくちゃ小さいやつ
なんとも言えない部屋の臭いはこいつらのせいだろうか

この日は疲れてすぐ寝てしまった

翌朝、部屋中をくまなくチェックしてカメムシを集めて捨てた
その後、生活用品を買おうと外出した

すれ違う人すれ違う人、ほっとんど外国人!
日本人を見つける方が難しい!

コンビニも外国人で溢れかえっていた
手にしている商品を見るとコンビニ飯というよりはパンや卵などの食料品が多く、長期滞在の観光客が多いのかな〜と思った

雪が降ってきたのでカフェに入って雪宿りすることにした
店内は見事に外国人だらけ
店員も外国人だが私が日本人だと気付くとちゃんと日本語で接客していた

「ありがとうございまっす〜」
めっちゃ軽くて気に入った

ドラッグストアに行き商品を選んでいると外国人に英語で声をかけられた
「胃薬が欲しいがどれがいいか」ということだった
症状を聞いて太田胃散をお勧めしといた
medicineなのにsupplementと言ってしまったことに帰り道で気が付いて思わず「あ!」と声が出た
く、悔しい…!

しばらく歩いていると、店の前で外国人の女の子が泣きながらしゃがみこんでいた
心配になって様子を見ていた

「I'm sorry〜I love you〜」

どうやら電話しているらしく男性の声が聞こえてきた
たぶんお相手は恋人で、なんかもめてるっぽい
吹雪いてきたのでスルーすることにした

今日はほとんど日本語を話すことはなかった
日本なのに外国に来たような気分を味わえる
冒頭で東京からの距離でいうとニセコはちょっとした外国に行けるレベルと言ったが、ニセコがまんま外国だった

スノボやスキーがなくても、ニセコは私にとってめちゃくちゃワクワクする環境だ